ダウ理論における波形の書き方

ダウ理論は、「テクニカル分析の基礎」とも言える重要な理論だ。

ダウ理論で構成されている「6つの基本原則」のうち、ここでは
トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
という基本原則に着目し、トレンドについて解説する

トレンドを正しく認識できれば、波形を描けることになるのだが、あなたはどこまで正確にトレンドを認識できているだろうか。

「トレンドを認識し波形を書く」

これができずに、または曖昧な理解のままでFXトレードで勝とうというのは無理がある。波形認識ができた上で、トレードシナリオを構築できると考えれば、波形認識ができない人は、地図を持たずに山道を進むようなものだ

上昇トレンドと下降トレンドの定義

上昇トレンドは、高値と安値がともに切り上がっていることが条件である。

上昇トレンド

逆に、下降トレンドは高値と安値がともに切り下がっていること。

下降トレンド

これは簡単なので誰でも理解できるだろう。

では次に、実際のチャートでトレンドを認識し波形を書いてみてほしい。

実際のチャートで毎回同じ波形を描けなければならない

これは2020年3月26日から4月8日までのドル円1時間足チャートである。

このチャートに波形を書いてみてほしい。


ちなみに、いつ何回やっても毎回同じ波形を描くことが重要だ。もし、書くたびに波形が異なるようであれば、波形認識があいまいという証拠だ。

パッと見た時に目立つ高値と安値を結ぶだけでは感覚を頼りに描いているだけである。

そんな適当な波形認識を基にして精度の高いトレードシナリオを作れるわけがない。

高値・安値をざっくり区切った波形

私の予想では、人によって描く波形が異なるだろう。

おおざっぱに波形を描いた場合は、下のように、赤線の下降トレンド、青線の上昇トレンド、赤線の下降トレンドと言った具合か。

高値・安値をざっくり区切った波形

しかし、これだと、最初の下降トレンドの波の大きさに対して、上昇トレンドの1つ1つの波形の大きさが小さくなっていてバランスに欠けている。

具体的には、「安値2から高値2」と「高値2から安値3」は長いが、「安値3から高値3」や「高値3から安値4」が短い。

波形サイズのバランスがとれていれば良いということではないが、もう少し高値・安値を細かく区切っていった方が良いのではないだろうか。

高値・安値を細かく区切った波形

前回よりも高値・安値を細かく区切って1つ1つの波のサイズを小さくして書いた波形が下のチャートだ。

前回は高値・安値が6個ずつだったが、今回は12個ずつになっていて、ちょうど2倍の数で構成されている。

高値・安値を細かく区切った波形

上の波形がしっくりくる人もいるだろうし、別の波形になった人もいるだろう。

高値・安値の場所に違いが出そうな場所としては、以下の4つくらいだろうか。

  • 安値1、高値1は付けずに、もっと長い1つの下降の波とする
  • 安値3から高値3の間に、もう1つ高値・安値を加える
  • 高値6から安値7の間に、 もう1つ高値・安値を加える
  • 高値8と安値9は付けずに、もっと長い1つの上昇の波とする

エリオット波動理論を使っている人にしてみれば、安値7から高値10までが上昇7波動を形成しており、違和感を感じるだろう。上昇3波動目が最も長くなるというルールに当てはめると「高値8と安値9は付けずに、もっと長い1つの上昇の波とする」方がしっくりくるのかもしれない。

いずれにしても、高値・安値の場所はいつも同じ場所を指定できるようにしておく必要がある。

横ばい相場でも正確に 波形を書けるだろうか

次は、2019年10月15日から28日までのドル円1時間足チャートである。

大きな流れで見ると前半は下降トレンド、後半は上昇トレンドになっているようにも見える。

しかし、高値と安値を判断する明確な基準を持っていないと、波形を描きにくいのではないだろうか。

横ばい相場

このような ごちゃごちゃした相場で、トレンドを読みづらい局面では無理にトレードをする必要もないだろう。

しかし、どのような相場環境であっても明確な基準を持っていれば波形認識はできる。そして、ぶれない波形認識ができていれば、それを基にトレードシナリオを構築できる。

ZigZagで楽をしようとしてはいけない

MT4にはZigZagというインジケーターが存在し、設定したパラメーター(Depth, Deviation, Backstep)に応じて高値と安値を線で結んで波形を描いてくれる。

パラメーターの数値を調整すれば、 高値と安値を線で結んでくれるので、波形認識を自動化できそうだが、本当にそれで良いのだろうか。

どうしてそこが高値・安値になるのか、どこを高値・安値と認識すべきなのか、その基準を明確にすることが大事である。

波形認識はインジケーターで自動化するのではなく、地道に自分で波形を描くことをおすすめする。

Y塾では高値・安値を明確に定義している

Y塾では高値・安値を明確に定義していて、曖昧さを完全に排除している。

従って、受講生が10人いれば10人が全く同じ波形を描くことになる。

また、同じチャートであれば、何度取り組んでも毎回同じ波形を描くことができる。

まとめ

  • 波形認識は毎回同じ結果にならなければならない。
  • 波形を正確に書くためには、高値と安値の定義を決める必要がある。
  • 波形を一貫して書けるようになるためには、たくさんのチャートで練習するのではなく、高値と安値の定義を明確にすることである。(重要なので2回書いた)

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